校長コラム

令和3年度 卒業証書授与式 式辞

校庭の木々の蓄もほころび始め、北総台地にも春の息吹が感じられるこの良き日に保護者の皆様をお迎えして、千葉黎明学園千葉黎明高等学校第97回卒業証書授与式を挙行できますことは、卒業生はもとより在校生、教職員にとりましても、大きな喜びでございます。

只今、卒業証書を授与しました271名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。本校の所定の教育課程を無事終了し、めでたく卒業の日を迎えることができましたことは、一人ひとりが三年間、たゆまぬ努力を積み重ねてきた結果であることは言うまでもありません。その努力に対し、心から拍手を送ります。私は皆さんが入学した年に本校の校長に就任しました。入学式の際、まさにこの場所から皆さんの緊張した面持ちを見て皆さんが本校での日々が素晴らしいものになるよう祈るような気持ちであったことがついこの間のような気がします。

その日から早三年、在学中を振り返って見れば、決して平坦な道ばかりでなく、つまずいたり悩んだりしたこともあったかと思います。特に誰もが想像していなかった新型コロナウイルス感染拡大が、高校二年生でしたね。臨時休校、学園祭、体育祭は規模を縮小、修学旅行は代替えで実施でした。
パンデミックは、皆さんの高校生活の掛替えのない日々に大きな影を落としましたが、三年生になると、部活動の大会が次々と開催され、陸上部、アーチェリー部、ソフトテニス部、ライフル射撃部、ゴルフ部、書道部、美術部、が全国大会へと出場しました。2023年に創立百年を祝う「栄光の足跡」を刻むことができました。

その一つひとつが高校生活の貴重な体験として、これからの人生の糧となることでしょう。さて、本日めでたく卒業の日を迎え、「高校時代」というステージから、次のステージへと歩を進めて行きます。大学や専門学校へ進学し、より専門的な勉強をする人、就職して社会人となり、経済的にも精神的にも自立する人、その道は様々ですが、未知の世界に対する不安と緊張感、そして自分で道を切り拓いていくという高揚感とに包まれていることでしょう。

作家五木寛之さんの著書、「選ぶ力」の中で「人生とは選択の連続である。生きるとは選ぶことである。 自分がどの道を選ぶかは、その人の責任で選ぶしかない」と述べています。どのような道であっても自分を生かせると思える道を信じて、進んで行ける人は幸せです。さあ、勇気を出して一歩前に踏み出してください。 皆さんには無限の可能性があります。自分を信じ、自分の可能性に賭ける勇気と決断が、これからの人生を切り拓いていくのです。しっかりと前を見据えて、自分の選んだ道を堂々と歩いて行ってください。
また、少子高齢化、高度情報化、グローバル化と私たちを取り巻く社会は予想もつかぬほど急激に変化し、多様な価値観の中、国内外において解決しなければならない課題が山積しています。

このような厳しい状況の中、世の中に出ていく皆さんに、卒業にあたり、三つのことをお願いします。
その一つは、「温かい思いやりの心を大切にし、豊かな人間性を備えた人になって欲しい」と言うことです。二つ目は、「チャレンジ精神をもって、最後まであきらめずに粘り抜く人になって欲しい」と言うことです。
三つ目は「自立した社会人として社会に貢献できる人になって欲しい」と言うことです。

最後になりましたが、保護者の皆様方にお祝いとお礼を申し上げます。本日はお子様のご卒業、誠におめでとうございます。お子様の健やかな成長を願って支えてこられた皆様にはさぞや苦労も多かったことでしょう。 今日の良き日を迎え、立派に成長されたお子様の姿に感慨もひとしおのことと存じます。教職員一同、心よりお慶びを申し上げます。今日まで、本校にお寄せいただきましたご支援、ご協力に深く感謝を申し上げます。卒業生の皆さんの前途に幸多からんことを祈念いたしまして式辞といたします。

令和4年3月12日
学校法人千葉黎明学園 千葉黎明高校
校長 廣瀬正臣