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卒業生代表 髙山奈緒さん答辞

厳しい冬の寒さも和らぎ、春の息吹が感じられるようになりました。
本日は私たち卒業生のために、このように盛大な卒業式を挙行していただき、心より感謝申し上げます。

先程、理事長先生、校長先生、在校生代表の方からお祝いや激励の言葉を頂きました。その一言一言を、しっかりとかみしめつつ拝聴させていただきました。
三年前の春、私たちは期待と不安を胸に、この学び舎の門をくぐりました。新入生歓迎会で見た先輩方の姿に憧れを抱き、時には真似をし、黎明高校の生徒としての自覚が芽生えてきた一年生の頃が、つい先日のことのように思い出されます。黎明高校での生活にも慣れた二年生の春、新型コロナウイルスの感染拡大により、学校は二か月近く臨時休校となりました。先の見えない不安を抱える日々が終わり、改めて、周りの人々と笑いあえる、何気ない日常の意味を考えるようになりました。
学園祭に代わって行われた文芸発表会では、各クラスがそれぞれ特色のあるモザイクアートを制作しました。文化部においては日頃の成果を十分に発揮し、素晴らしい作品や発表を披露してくれました。コロナ禍により気の抜くことのできない日常から少し離れ、文芸に親しむことができました。
体育祭では、時間短縮やプログラムの変更はありましたが、様々な工夫により、例年のようにみんなで一致団結し、かけがえのない思い出を作ることができました。
三月には、JALの周遊フライトと東京ディズニーランドを巡る研修旅行が行われました。コロナ禍によりサービス業や航空業界が深刻な影響を受ける中、どちらも心のこもったおもてなしで歓迎していただき、働かれている方々のプロ意識に感動するとともに、地元の魅力も再発見することができました。
いずれの行事も、「授業も大切。部活動も大切。行事も大切。」という黎明高校の校風と、多くの方々のご尽力があったからこそ実現できたものだと思います。制限のある条況下でも、工夫を凝らせばいかようにも楽しみを見つけることができる、ということを知る機会となりました。コロナ禍を経験したからこそ身についた、自分で自分の人生を切り開く力は、今後、複雑で予測困難な時代を生きる私たちにとって大きな糧になると思います。

三年生になり、本格化してきた進路活動を前に、一人一人が自身の目標に向かって懸命に取り組むようになりました。それぞれが別々の目標を追いかける中、友人との接し方や距離感に思い悩む日もありました。それでも、仲間同士協力して受験や就職活動を乗り越えることができました。まだ先だと思っていた卒業の時が迫っていることも、少しずつではありますが実感し、時間を大切にしながら過ごすようになりました。

この三年間の道のりは、決して平坦ではありませんでした。時には未熟さ故、失敗したり、心が折れそうになったりすることもありました。それらを自分に与えられた試練だと乗り越えようとする時、いつもそばにいて、私たちのために一喜一憂してくれた家族や、教育者としてだけでなく、一人の大人として、正しい方向に導いてくださった先生方には、何度も励まされました。本当に感謝しています。

 私たちは、二度と経験できないような貴重な日々を、黎明高校で過ごすことができました。そしてその日々は、卒業生二七一名のこれからの人生において大きな財産となるはずです。
 今日まで近くで見守り続けてくれた家族、共に過ごした仲間や後輩たちへの感謝の気持ちを忘れずに、私たちはそれぞれの道を歩んでいきます。

 最後となりましたが、理事長先生、校長先生をはじめ、諸先生方のご健勝と、千葉黎明高校の益々のご発展をお祈り申し上げ、答辞とさせていただきます。


令和四年三月一二日
卒業生代表 髙山奈緒