今月の推薦図書

采配

「孤独に勝たなければ勝負に勝てない」「『嫌われている』『相性が合わない』は逃げ道である」「前向きにもがき苦しめ」「不安だから練習する。練習するから成長する」「明日のために切り替えるよりも、今日という日に全力を尽くせ」…すべてこの本落合博満著『采配』の中の言葉である。ぼうっと読んでいても「へー」としか思わない。だけど何か伝えたい人がいるのにうまく言えないとき。がんばれと応援したい人がいるときにかける言葉に迷うとき。自分がもう一度頑張りたいのに、足がかりがつかめないとき。そんな、大切な「誰か」(それは成長したい自分自身でもいいと思う)を思い浮かべながら読むと、一言ひとことにうなずけるし、励まされた本だ。著者・落合さんは1998年に引退した、元読売ジャイアンツ・中日ドラゴンズの選手である。中日ドラゴンズでは8年間監督をつとめ、うち4回リーグ優勝、1回はチームを日本一に導いた。個性的な人なので、好き嫌いがはっきり分かれる(落合好き・落合シンパを「オチシン」、落合嫌い・アンチ落合を「オチアン」と呼ぶそうだ)。この本を読んで励まされた私はオチシンになってしまったのかなあと思いつつ、ここに推薦します。ぜひ、読んでみてください。

出版社ダイヤモンド社