今月の推薦図書

新たな年になりました。今年はあれをしたい、これを頑張りたいと様々な希望を胸に抱いている人が多いのではないでしょうか。そんな時、一度原点に帰って生命について考えてみませんか。今回私が推薦する本は、本多孝好 著『MOMENT』（集英社）です。自分の命が尽きようとしているその時、皆さんなら何を願いますか？本書の中では、主人公が末期患者の最期の願いを叶えていきます。死ぬ前に願いが叶うとしたら、人は何を願うのでしょうか。それは綺麗なものばかりとは限りません。人の醜い部分まで描かれている所が、非常にリアルです。人は、生きる為に生まれるのに、この世に生を受けたその瞬間から、ゆっくりと死に向かっているという矛盾を抱えています。生きることとは何でしょうか。死ぬこととは何でしょうか。誰もが一度は考えたことがあるのではないでしょうか。そんな重いテーマを扱っている作品でありながら軽快なタッチで描かれており、非常に読みやすく前向きになれる一冊です。是非ご一読下さい。