今月の推薦図書

嘉納治五郎と安部磯雄―近代スポーツと教育の先駆者―

今月の推薦図書は、丸屋武士『嘉納治五郎と安部磯雄―近代スポーツと教育の先駆者―(明石書店)です。2020年に東京オリンピックが開催されますが、千葉県内でも正式競技が行われる予定であるという明るいニュースが最近ありました。また、その競技も再び候補となった野球や女子ソフトボールや新しく候補となった空手道などがあり、夏には決定されるようです。さて、講道館柔道創立者で有名な嘉納治五郎先生はオリンピック委員として、柔道の国際化に大きな努力を図られました。そして教育家として現在の筑波大学の校長(高等師範学校)や灘(なだ)中学・高校の初代校長として名門校の土台作りを行われました。また、安倍磯雄先生は早稲田大学の教授、創立者大隈重信先生の愛弟子として研究に没頭される傍ら早稲田大学野球部の野球部長として日露戦争の最中に米国遠征を企画して日露戦争の終結に一役買い、メジャーリーグの技術や道具なども数多く持ち帰り、現在の日本野球興隆の基礎固めをされたという事実があります。文武両道は本校の教育方針の一つですが、近代日本という大きな変革期において、スポーツと学問に尽力した両先生の輝かしい足跡をたどることができる一冊を皆さんに紹介します。

推薦者 理事長・校長 西村 清 先生

 

出版社明石書店