今月の推薦図書

中学生までに読んでおきたい哲学

今月のおすすめ本は松田哲夫編の『中学生までに読んでおきたい哲学』です。「哲学」に関する本は高校時代の授業「倫理社会」の時以来読んだことがない私が、このシリーズを読もうと思ったきっかけはある日の朝刊で目にとまった図書紹介でした。誰もが知っている小説家やエッセイスト、各界の著名人の名文に触れることができるこの8冊は、たとえば①「愛のうらおもて」には向田邦子、寺山修司、吉行淳之介、太宰治、②「悪のしくみ」には井上ひさし、遠藤周作、星新一、③「うその楽しみ」には柳田邦夫、井伏鱒二、小松左京、⑥「死をみつめて」には伊丹十三、高見順、柳谷小さん、⑤「自然のちから」には宮澤賢治、開高健、茨木のり子等の文章で構成されています。文章はどれもショートショート。日常の暮らしの中に潜んでいる哲学的な問いかけが“人生”を考えさせてくれます。タイトルの「中学生までに読んでおきたい・・・」にこだわらず高校生にも読んでほしい本です。皆さん、本を読みましょう。緑が美しいこの季節の本との出会いは眼福、心福です。

推薦者 図書部 中野 茂子 先生

出版社あるなろ書房