今月の推薦図書

強父論

今月のおすすめ本は阿川佐和子著『強父論』(文藝春秋社)です。この本は94歳で亡くなられた父、阿川弘之さん(作家)の最期と著者の青春時代から今までの家族の交流を描いた人生読本です。時代背景は二世代前になりますから、現代の父子の仲の良さや愛情の注ぎぶりとは異なる点も多いかと思います。しかし時代が変わろうとも人間のもつ父性や母性は基本的に変わらない部分もあるのです。例えば、突き放してでも成長を待つのは父性でしょうし、誕生したわが子に何にも増して愛情を注ぐのは母性でしょう。時代背景で理解しにくい部分もあるかと思いますが、きっとウチでもあるある、おじいちゃんにそっくりだなど共感を呼ぶ箇所もあると思います。なお著者の阿川佐和子さんは、私の母校である慶應大学の同期で、彼女は文学部、私は商学部を卒業しました。

推薦者 理事長・校長 西村 清 先生

出版社文藝春秋社