理事長コラム

平成26年度PTA総会 理事長・校長挨拶

本日は、休日にもかかわらず、一時間目からの公開授業、PTA総会、続くパラリンピック日本代表小池選手の講演会参加のために、本校に足を運んでいただき、誠に感謝申し上げます。本校教育に熱心な姿勢をお示しいただいたことに、学事の責任者「校長」の立場として、また学園責任者「理事長」として立場から、心より御礼申し上げます。

本日配布した資料には、入学式での式辞と5月1日「安全と平和を祈る日」でのスピーチ文を同封しました。HPにも掲載しておりますが、4月からの新米校長の弁を改めてお読みいただければ幸いです。

さて、一般的に、教育には学校教育、家庭教育、社会教育があるといわれますが、本日はPTA総会という場につき、学校教育と家庭教育について少々申し述べさせていただきます。お子様が生れ、まずはご家庭内での保育・教育が先行し、集合教育として幼稚園・保育、小学校、中学校と上がっていく過程においても、ご家庭での教育も休みなく続けられます。義務教育過程を修了した後、高等学校教育は公立高校と私立高校の大きく二つの学校設置様態に分けられ、皆様は私立の黎明高等学校をお選びいただきました。そして本日、ここに暖かい空気と、さわやかな五月の気候の中、ご同席いただいている次第でございます。つまり、お互いに選択された中で、日本に住む若者を共に教育し、次の上級学校や、直接社会に送り出すことになります。それには、家庭と学校が善意ではみ出して、重なり合うことが大切です。例えば、一枚の紙から箱をつくる時、しっかりとした箱を作るためには「のりしろ」をはみ出させ、紙と紙が重なり合うようにしなければ、上手に完成いたしません。共に協力しなければならないのです。入学でお互いが選択した「絆」を、三年間で磨き上げ、「結び」として卒業を迎え、さらに研鑽を積んだ生徒の姿を世の中に問うことが大事です。

世に出るまでに様々な方法がありますが、高校、大学を経て世に出ることが多くなっているようです。高校時代は基礎基本の繰り返しの毎日で、この束縛から逃れることが自由だと言う生徒は大人であるようで子供、子供であるようで大人の段階です。大学入学と同時に大人の扱いを受け、選択の自由を得ます。自由を得て初めて、応用問題に対応するようになって世に出て行きます。日本独特の学卒一括春採用は、世界でも優れた企業団体の若年労働者の失業対策と言われています。このように、生徒たちは、高校時代の基本問題基本動作の繰り返し、大学時代の応用問題の対応を経て、いよいよ実用問題と毎日対峙するようになります。このような問題の対応は、すでに世に出て苦労されている保護者様のほうが、学校の先生より得意なのかもしれません。

そこで本校では、武芸から颯爽たる躾、文芸を通じて深い教養の習得即ち「文武両道」、生徒と教員が共に行動する「師弟同行」という教育方針を掲げ、実践しております。私や天野元校長など企業勤務を経験した教職員と長年渡って教育力を培ってきた中堅ベテラン教員、フレッシュな力を持つ新卒の教員など、多種多様な人材をここ10年で揃え、基礎基本問題、応用問題、実用問題に生徒たちがしっかりと答えることができるようにしております。このような、黎明教育に今後とも是非ご期待ください。

最後に、天野元校長より500冊に及ぶ図書の寄贈を受け、図書室に「天野文庫500」を設けることを申し添えます。五月下旬には、天野元校長の校長在任6年間の足跡を綴った著書「黎明の日々」を出版します。この出版により、新たな歴史が刻まれますが、千葉黎明高等学校の92年に及ぶ歴史の中で、最大の足跡は生徒、卒業生であると自負しております。どうぞ、保護者の皆様には、今後とも「強くしなやかで進歩する」千葉黎明高等学校を共に育てご協力いただきますようお願い申し上げ、本会での挨拶とさせていただきます。