理事長コラム

卒業にあたって〰絆から結びへ〰

卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。第十四代の校長として、二回目の卒業修了証書を自署でお渡しすることができました。

皆さんには一年生の時は「探してください。友人も自分の立ち位置も、部活動も全て探してください」、二年生になると「進学進路を決めてください。黎明高校の中心である生徒として後姿を一年生がいつも見ています。文武両道、師弟同業を実践してください。」三年生になると「決めた進学進路に向かって頑張ってください。ラストランです。最後まで諦めないクラスメイトと共に進路を確保してください。」つまり「探す」「決める」「がんばって確保する」と度ごとの講話の中で申し上げました。こうして入学から卒業までを、それぞれが得た絆を結びとして、しっかりと固く結んで巣立っていただきたいと思います。

地元の小学校や中学校は、地域という括りの中で揃っておりますが、私立の高校となりますと通学範囲も広がり、あるいは勉強も部活動も専門的になり、そして進路先も今までのように、「揃って」というよりも「其々(それぞれ)」がというように変化します。ここに育成から成長、あるいは先ほど述べたように、本校で得た「絆」を卒業という「結」をもって、しっかりさせておくことが、この先の人生でも学校の価値を感ずると同時に、友情資産となって大きな幸せになることと思います。

さて若さとは無限の可能性といいますが、上級学校や世に出るとそれは「次第次第に有限の責任が生じます。卒業後に学部学科に入ることはその課程であって、その先に皆さんが仲間とともに「あるべき姿」つまり理想や真理の追究への更なる努力や、出会いの運命が待つことを期待しながら、人生を歩んで行くことと思います。

黎明高校は西村繁先生が、伯父にあたる現在の県立長生高校を設立された千葉天夢先生を手本として地域青年の為に90年以上前に設立した伝統校です。

地域密着貢献型の私学として千葉県教育大賞特別賞の受賞、また文科省からはユネスコスクール優良実践認定も頂きました。さらに普通科において85%に達した進学実績、そして体育会生徒会文化部の活躍ぶりは、生徒がもちろん主役でありますが、中学校、大学、専門学校、進学塾、企業団体、市民の皆様、同窓会、保護者の皆様と学園・学校関係者の御蔭と改めて深く感謝申し上げます。