理事長コラム

95周年記念式典・黎明の日 式辞

本日はお忙しい中、国、県、市、を代表する皆様、近隣中学校や学校、特に私立学校を代表する先生方、さらに本校と御縁の深い企業団体の方々をお招きしての創立95周年記念式典と、例年行っております教職員を中心とした、学校記念日「黎明の日」兼ねて開催させていただきました。

公教育の一翼を担う私学は、文部科学省のもと、千葉県認可の中でご指導頂いております。私学経営の大きな柱となる私学助成法は 自民党の議員立法で成立いたしました。また民主党政権では高等学校の授業料無償化の先鞭がつけられ、今回の総選挙では、教育全体の無償化が争点ともなりました。過去を見ますと、明治憲法と教育勅語、現日本国憲法と教育基本法と国の根幹と教育は切り離せない存在であることは皆様御高承の通りであります。

安部政権では先に教育基本法の改定を行っていますので、今回憲法の改正が大きな議論になるのも当然かと考えられますし、昨年より公職選挙法では18歳の選挙権、つまり高校生が選挙を行う時代となったことも時代背景かとも推察いたします。また八街市とは学校創立者を生んだ西村家が、横浜で営んでいた肥前屋(佐賀の大隈重信閣下と昵懇)の事業の傍らに明治政府のご要請によって、千葉県船橋市三崎地区とこの八街市の開墾開拓を担ったことから、街づくりの基本であるなかで、医療、警察、教育、商工業、農業など広い範囲の先導を開拓民と共にいたしました。今では人口7万人の中核田園都市として発展した八街市と本校は、県立八街高等学校を含む幼稚園、小学校、中学校、高等学校の連携教育を教育委員会は推進し、中学教員との交流人事、主要教科の研究授業、小学生の通学合宿、慶大野球部野球教室やアーチェリー黎明カップの共催や社会教育としてパソコン、絵文字、ガーデニング教室など展開しております。

さて式典のスタートは創立者西村繁先生自らが海外留学で学ばれた吹奏楽部のオープニングファンファーレと映像による95周年の歩みを、元気はつらつたる1年生櫻井さんが、創立の理念通り師弟同行で紹介していただきました。正面にありますとおり「師弟同行、共に汗、共に感動、共に成長」「武芸から颯爽とした躾、文芸から深遠なる教養としての文武両道」を掲げた本校はお手元の資料にありますとおりの長い時間を経て、今では800名の生徒、70名の教職員、1万人の卒業生を有する「進学を重視した地域密着貢献型の伝統校」となりました。改めましてご支援ご声援、ときにご叱声をいただきました皆様に厚くお礼申し上げる次第でございます。

現在の生徒は4月から2020年の高大接続改革に対応すべく、「黎明ラーニングメソッド」の取り組みのもと、1日7コマから8コマの授業や連続90分の授業、或いは放課後の特別講座や部活動を自主的に選択できる学園生活を送っております。普通科の進学率は90%と県平均をはるかに超えるようになりました。進学先も千葉大、鳥取大、筑波大、東京学芸大、早稲田、慶応、上智、東京理科大、法政、明治、立教、学習院、日大、専修、成蹊、成城、聖心女子大、武蔵野音楽大学、十文字女子大学、東京農業大学と地元敬愛大学、城西国際大学など教職員の指導のもとそれぞれの結果を出せるようになりました。進路へのキーワードは1年生が「探す」、2年生は「決める」、3年生は「がんばる」「確保する」を3年間で乗り越えていきます。就職の生徒も警視庁、千葉県警、消防庁、日本郵便、東京ガス、JFEと頑張っております。

さて95周年記念には、施設として本校舎6か所男女洗面所の改修―給湯設備とウォシュレット装備、運動系ではゴルフ部練習場、女子ソフトボール雨天ピッチング場を新設しました。また、夏休みにはオーストラリア研修や富士登山計画など創立者西村繁先生が、コロンビア大学留学を含む1年以上の視察研修で得た英語学習、学校衛生、吹奏楽、体づくりの重視を具現化できるように考案いたしました。しかしなんといっても本年度からは、先ほどお話をした黎明ラーニングメソッドが始動、この新プログラムは、これまでのユネスコスクール加盟、千葉教育大賞特別賞、東京オリンピック・パラリンピック教育実施校がベースとなった上に、学力育成と希望進路の実現への大きな可能性を実現し始めたとご理解の上ご期待を頂きたく存じます。

スクールバンドのルーツ校で全国レベルの吹奏楽部、インターハイ2度優勝のアーチェリー部、鈴鹿サーキットで優勝したソーラーカーづくりの工学部、総体常連の陸上競技、ソフトテニスと関東大会3回出場の野球部、部活動は明るい光を学園に与えてくれます。3500名参加の学園祭、156本の桜を誇る観桜会、900名収容の四街道文化センターを満員にする黎明音楽祭、防災学習をこめて6年連続での東北・北海道修学旅行、今年からのオーストラリア海外研修、宝塚歌劇や歌舞伎鑑賞、オリンピック・パラリンピック代表などの講演会と黎明学園高校はまだまだ成長期ですので、今後ともよろしくご指導ご鞭撻願います。

 最後になりましたが、この古い木造校舎には「生徒館」と名付けられ、創立間もなく建立され、現在は全国で8つしかない私立学校における国の登録文化財として大事に使っております。後ほどここで記念コンサートを行う吹奏楽部は創立者とともにここで練習を重ねました。かつての船橋ヘルスセンターの少女鼓笛隊もここで練習しました。また、創立者西村繁の母 西村はまの実家である千葉家が創立した当初の私学であった現長生高等学校の演奏指導をここで行われたこともあると聞きました。さらには高橋是清閣下が2度来校され、西村家に立ち寄られたあとこの校舎で演説をされた由緒ある場所でもあります。今回は創立95周年という節目に本校の原点である生徒館にご参集いただきましたことに感謝し、「強くてしなやか成長する黎明高校」さらに、学園、学校、教職員、生徒、同窓会、PTA、後援会、地域が一体となった黎明ファミリーがご関係諸団体企業のご支援、ご声援を頂きながら次の100周年に向かうことをお誓いして、ご挨拶とさせていただきます。
ありがとうございました。

2017年11月11日 千葉黎明高校 理事長・校長 西村 清