理事長コラム

ルールとジャッジ

 世の中は憲法改正、アベノミクス、東アジアの安定と政権が代わって賑やかな様子と景気回復に向かっていよいよのムードが漂ってきました。学校は不偏不党とはいいますが、やはり政権の教育に関する考え方にまったく影響されないとは言い切れません。また幕藩体制から近代日本、戦前から戦後というような社会構造そのものが大きく変化すれば学校教育制度そのものがひっくり返ることは認めざるをえません。

 さてそのような中で、千葉黎明高等学校は創立九十周年を無事に通過し、新たな風の中を大島新校長と共に発進いたします。どうぞこれからも黎明教育をご理解いただきご協力の程よろしくお願い致します。ところで、周知のとおり国には国のルールが、学校には学校のルールがございます。

 最近学校の罪と罰についての議論や行き過ぎた指導による不幸な事故がございます。私は教職員や生徒に、それぞれのルールとジャッジを教えるのは学校であり、家庭であり、広く社会であると発信しております。また、このジャッジにも時として首をかしげざるを得ない場合があったとしても、まずはそれを受け入れた上で、これもルールに則って抗議を申し入れるべきと説いております。こうした日常が学校生活で繰り返されることで、フェアを尊び、アンフェアを憎む精神が育っていくことが大切なのであります。

 たとえばスポーツではすべてにルールとジャッジがありますし、それを肌合い感覚でわかるほど突き詰めることこそ、体育会の目標の一つなのであります。

 大島校長からは主に、生活指導面でのこのルールとジャッジについての見解が多く示され始めています。日本の震災以降復旧復興に伴い、若い生徒達がその実行委員になって頑張るためには、基本の徹底ができなければ、支援を頂いた世界の人々への恩返し、亡くなられた方たちの希望とはならないと思います。学校は立志とともに、立地が大事です。そして震災だけでなく、経済事象にも情報収集と準備がなくてはなりません。

円安による原材料の高騰、エネルギー関連費の上昇、消費税増税に対する用意など、今後保護者の皆様への応分の御負担をお願いしつつ、学園のコスト削減を一層図る所存です。どうぞ、「強くしなやかで進歩する」千葉黎明高等学校の将来にご期待下さいますようお願い申し上げます。

平成25年7月 -PTA広報誌「ひまわり112号」から抜粋-