今月の推薦図書

檸檬のころ

私がお薦めする本は『檸檬のころ』という豊島ミホさんの作品です。中身は短編集になっており読みやすく、そのうちの一つのストーリーは榮倉奈々さんが主演する映画「檸檬のころ」にもなっています。私は高校時代、家から遠い学校に通っていたため下宿生活をしていましたが、実はこの作品の著者、豊島さんは私と同じ下宿屋さんで同じ頃に生活していた先輩です。そして短編小説の中にも私たちが実際暮らしていた下宿生活やそこに実際にいた人物も描かれている部分があり、私にとっては自分が生活していた場所が小説になるなんて…という個人的な感動もひそかに感じられる作品でした。部活一色の女子高で青春時代を過ごしてきた私とは違って、普通(共学)の高校生の感覚ってこうなんだなぁと、思わせてくれる甘酸っぱい青春が感じられる作品です。

出版社幻冬舎