今月の推薦図書

逆説の日本史 (1)「古代黎明編」

日本史で必ず学ぶ「邪馬台国」。私が高校生のころ授業中に抱いた疑問がありました。それは「邪馬台国」の「邪(よこしま)」という漢字の違和感でした。さらに一国の王である「卑弥呼」の「卑(いやしい)」という漢字もそうでした。後にこのシリーズに出会い、その答え(正否は別として)が示されていたことで、長いこと抱えていた違和感が解消された記憶があります。疑問が解決(理解)するという爽快感は時間を飛び越えてしまいます。もっと読んでみたくなります。そして「出雲大社」や「宇佐神宮」に行ってみたくなります。

この井沢元彦著「逆説の日本史」というシリーズは平成4年から週刊誌に連載されていたものが単行本化されたもので全18巻が刊行されています。日本史は暗記科目で苦手という人もいるでしょうが、このシリーズを読めば日本史の楽しさに触れることが出来ます。教科書とは少し違う視点で見る読み物として、特にこの「古代黎明編」が秀逸でした。入門編としてお薦めです。

推薦者  根本 明彦 教頭

出版社小学館文庫