今月の推薦図書
タータンチェックの歴史
永遠の女子のアイテム、タータンチェック。ハンカチ、ノート、ペンケース、ファイル、スカート、コートにマフラーなど装飾品にいたるまでタータンチェックは使われており、私もタータンチェックに魅かれてン十年の“女子”の一人、この本が出るや即購入、読んでみました。
「はじめに」というページをめくると、〈タータンチェック〉のワンピースを装ったキャサリン王妃の写真が載っており、思わず「素敵!」と声を出してしまいそうです。〈タータンチェック〉といえばイギリスを象徴する生地の柄で、元来スコットランドの伝統的な織物であることを知っている人は多いと思います。男性の正装であるマントのような大判の肩掛けやキルトとしても有名ですね。しかし、グレートブリテン(イギリス)の政治的混乱を背景にこの織物が波乱万丈な歴史をたどって来ていることはあまり知られていないのではないでしょうか。骨肉の争いによってこの世から排除されそうにもなった〈タータンチェック〉が、今や世界中で愛用されるまでになった歴史を豊富な写真と図説で楽しみながら学んでみませんか?着物の図柄に負けずとも劣らない、何種類ものタータンの図柄にも魅了されることでしょう。(日本の女子高生の制服の70%チェック柄採用には、可愛くて、エレガントで、モダンで、正統派の〈タータンチェック〉の伝統と歴史が裏付けされているのかもしれませんね。)
出版社 | 河出書房新社 |
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